ラテンアメリカ現代美術 ゴンサロ・ピニージャ展
コロンビア作家の絵画・版画
コロンビアの出身の20世紀現代美術作家ではフェルナンド・ポテロの知名度が圧倒的に高いが、最近はボテロの呪縛から解放され、世代交代を感じさせる若くて才能ある人材が輩出している。絵画や版画といった平面作品をてがけるゴンサロ・ピニジャもその一人である。イタリア留学で確かなものにしたメチエをペースに人間の優しさの背後に潜む獣性、消費される対象としての動植物が人間の産みだしたモノを消費する倒錯、権勢の強さと裏腹の不安や脆弱さ、といった現実世界の多重性を暴き出している。やみくもに先端技術を追うのではなく、人間と社会や動植物との共生という古くて根源的な課題に地道に取り組んできた。現代美術批評の世界ではアヴァンギャルドの最先端が何処にあるかを競って論ずる時代はとっくに終わった。代わって美術作家個人のモダニティー理解のレベルと、そのモダニティー理解がどのように巧に作品に表象されているかが論じられるべき時代になっている。ピニジャの作品はこの新しい美術批評の言説に十分耐えうるものである。日本での作品公開が待ち遠しい。
(加藤薫 中南米美術研究家 神奈川大学教授)
【日時】 9月15日〜21日
9月15日17時〜 オープニングセレモニー (※会費無料ですので皆様ぜひお越しください)
【会場】 彩ギャラリー
【協賛】 Colombia Embassy (http://www.colombiaembassy.org)


2006-08-23